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【映画ライターが分析】非の打ちどころのない真正の天才!役者・林遣都の5つの才能

#林遣都 #SYO
2020年6月17日 by

映画ライターのSYOと申します。日本のドラマ・映画界に欠かせない俳優さんの「5つの魅力」を分析する本企画も、ついに10回目。

今回取り上げるのは、先日ドラマ「世界は3で出来ている」で圧巻の1人3役を披露した林遣都さん。儚げにも、幼げにも見える得も言われぬ美しさがあり、一挙手一投足からドラマ性が立ち上る名優です。

1990年生まれの林遣都さんは、2007年ころから映画・ドラマに出演し始め、「おっさんずラブ」や「HiGH&LOW」シリーズで幅広い世代に人気が拡大。今日までずっとトップランナーで居続けています。

もはや説明不要のベテランであり、万能型の役者でもある林遣都さんについて分析することは、非常に難しい……。死角も弱点もなく、「林遣都」という名前がもう確固たるブランドのため、言うべきことがありません。

そのため今回は、映画を中心に、偏向したラインナップと個人的な「推しポイント」に注力して、語っていきたいと思います。ご容赦いただけますと幸いです。

引用:https://fod.fujitv.co.jp/s/

1 デビュー作から別格!尽きることない「演技派」の輝き

引用:https://fod.fujitv.co.jp/s/

林遣都さんについて語るにあたり、やはり彼のデビュー映画「バッテリー」は欠かせません。原作は、あさのあつこさんの人気小説。監督は、「おくりびと」の滝田洋二郎さん。この盤石の布陣が敷かれた青春スポーツ映画で、林遣都さんは天才野球少年を瑞々しくも、ストイックに演じ切っています。

父親の転勤で、田舎に引っ越してきた才能あふれるピッチャー。野球一筋の彼は、自分が特別だとわかっているからこそ、周囲に対して傲慢な態度をとりがち。だけれどその裏には、病気がちな弟や母親への複雑な感情があって……。

「運動神経」「演技力」「微細な感情表現」など、高いスキルが要求される難役ですが、林遣都さんは彼以外の役者では考えられないほど、見事に体現。本作で見せた「少年らしい傲岸不遜さ」は、最新出演作であるドラマ「世界は3で出来ている」に至るまで、彼の得意技であり続けています。

真白いユニフォームに身を包み、マウンドに立つ林遣都さんは、荘厳ささえ感じさせる存在感を放っており、日本映画界に新たなスターが誕生したことを高らかに宣言するよう。林遣都さんはこの「バッテリー」で、数々の新人賞に輝きました。

2 アスリート役に次々と挑戦!スポーツも万能

「バッテリー」が神がかり的なハマり役だったこともあってか、林遣都さんのキャリア初期の出演作は、スポーツ映画が多数。

池松壮亮さん、溝端淳平さんと共演した映画「DIVE!!」では飛び込み、北乃きいさんとの共演映画「ラブファイト」ではボクシング、三浦しをんさんの小説を映画化した「風が強く吹いている」では駅伝と、全く違った種目に挑んでいます。そのどれもで異なる表情を見せつつ、本気のパフォーマンスを披露しているのは、今観てもスゴい。

「DIVE!!」では、高さ10メートルのジャンプ台から飛び込むという、想像するだけで縮み上がりそうなシーンにも自らチャレンジ。10代の躍動する肉体がまぶしい……!

そして……。忘れてはいけないのが、「HiGH&LOW」シリーズで見せた、狂気のケンカバトル。大勢に囲まれてもひるむどころか不敵に微笑み、相手を徹底的に痛めつける姿には戦慄させられます。

「HiGH&LOW」シリーズでは、“復讐の壊し屋”の異名を、全身で表現した林遣都さん。「ラブファイト」では180度異なる気弱ないじめられっ子を演じており、役柄の幅広さもさすがとしか言いようがありません。

3 キャリアを積んでも若々しさが衰えず!永遠の「少年性」

先ほど、林遣都さんの演技の特長を「少年らしい傲岸不遜さ」と書きましたが、彼の演技はキャリアを積んでもずっと「青い」。これは、驚嘆すべき才能です。

通常、彼ほどのキャリアがあれば、演技はどんどん円熟味が増し、重く渋くなっていくもの。ですが、林遣都さんの場合は十余年経っても「鮮度」が一切落ちない。先日放送されたドラマ「世界は3で出来ている」では3つ子を演じていますが、リモートワークになって出世した次男のドヤ演技、純粋無垢でノリのいい三男のフレッシュな演技など、長らく映画・ドラマ界を引っ張ってきた人物とは思えないほど軽やかなのです。

彼のキャリアで重要な位置づけの作品には、ドラマ・映画と展開した主演作「荒川アンダー ザ ブリッジ」がありますが、そこで演じた大企業の社長の御曹司と本作を比べると、演技の成熟度は上がっているのに、見た目の若々しさや少年性は遜色ない。7・8年経っているのに、です。時を止める魔法でも使っているのでしょうか。

「荒川アンダー ザ ブリッジ」と「世界は3で出来ている」の間に入るのが、市役所職員を演じたゾンビコメディドラマ「玉川区役所 OF THE DEAD」や、庭師の見習いに扮したドラマ「京都人の密かな愉しみ Blue 修業中」ですが、並べてみても「か、変わらない……」とうならされるはず。

ずっと老いることなく、ずっと美しい。林遣都さん、とんでもない人です。

4 異性・同性関係なくラブシーンを演じられる、貴重な存在

「永遠の少年」といってもいい、不老の魅力。しかし、林遣都さんは意外とラブシーンにも挑んでいるのです。

例えば、瀬戸内寂聴さんの小説を映画化した「花芯」では、性の欲動を解放していくヒロインの夫に扮し、過激なベッドシーンで魅せます。彼のキャリアの中でも、かなり珍しい役どころといえますが、妻の愛を得られない夫の苦しみや嫉妬心を丁寧に編み込んでいて、非常に観ごたえがあります。

そして……異性だけではなく、同性とでも美しいシーンを生み出せるのが、林遣都さんの恐ろしいところ。金髪に染めて出演した映画「パレード」ではミステリアスな男娼、映画「悪の教典」では美術教師と関係を持つ男子高校生と、過激な作品で重要な役どころを担っています。この2作で芳醇に振りまく、妖しい色香にも注目です。

彼の新たな代表作「おっさんずラブ」も、林遣都さんだからこそ違和感なく、多くの視聴者に受け入れられたのかもしれません。ちなみに、ベジタリアンでゲイの教師を演じた映画「にがくてあまい」も、素敵な作品。クールだけど、毎日お弁当や夕食を作ってくれる優しい人物で、白シャツ姿で料理を作るシーンは眼福です(お風呂上がりのサービスカットもあります)。

5 正義にも悪にも染まる――圧倒的な「役柄の広さ」

さて、最後の項目です。ラストは、当たり前のことを書きましょう。「林遣都は、どんな役でも出来てしまう」。これまでの項目でも、彼が演じた様々な役どころを紹介してきましたが、これらはほんの一部。

市原悦子さんと共演した映画「しゃぼん玉」では、ひったくりや傷害事件を起こし、山中に迷い込んだ逃亡犯に扮しました。村の人々に居場所を与えられ、罪を償おうとする姿は、涙なしでは観られません。Netflixドラマ「火花」では、関西から上京したお笑い芸人を生活感たっぷりに演じています。どちらも、全身全霊の“泣き”の演技が出色。心の底から感情がとめどなくあふれ、ボロボロと泣く林遣都さんの演技は、観る者の感情をぎゅっとつかんで離しません。

映画「闇金ウシジマくん」ではビッグになろうと画策する危うい青年、映画「チェリーボーイズ」ではくすぶっている童貞、「ギャングース」では闇商人と、アウトローなキャラクターも多く演じています。

個人的に“推し”なのは、ドラマ「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」で演じたプロファイラー。正義と悪の狭間にいるダークヒーロー的な役柄を、完璧な配分に切なさを添えて演じています。サイコミステリーとしてもクオリティが抜群なので、おすすめです。

まとめ

林遣都さんについて語るときに、とても困るのは「ここから急に伸びたよね!」とか「これがターニングポイントだったよね!」が見当たらないこと。デビュー作から突き抜けて演技達者で、まったくぐらつかない“真正の天才”。非の打ちどころのない存在なのです。

今後、年内には、佐藤健さんと共演する映画「護られなかった者たちへ」が控えており、2021年には小松奈々さんと共演する映画「恋する寄生虫」の公開が予定されています。林さんは「恋する寄生虫」について「きっと今まで見たことのない恋愛映画になっている」とコメントを寄せており、期待が高まります。

林遣都さんは、例えるなら「源流水」。こんこんと湧き出る、冷たくて清らかな純度100%の水。その透明度は、何と混ぜても順応するのです。私たちはこれから先、何度彼の“引き出し”に驚かされ続けるのでしょうか。きっと、彼が演じ続ける限り、止まることはないのでしょう。彼こそが、ゼロから役を生み出す“無限の源流”なのだから――。

林遣都 歴代出演ドラマを星評価!

TVログでは、林遣都さんが出演している歴代ドラマに星評価をつけることができます!よかったら評価をお願いします!

SYO (映画ライター)

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイトの勤務を経て映画ライターに。「CINEMORE」「FRIDAYデジタル」「Fan's Voice」「映画.com」「新R25」「DVD&動画配信でーた」等に寄稿。Twitter「syocinema」

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