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【辛酸なめ子コラム】秘書役・田中みな実の野太い声「許さな〜〜い」&ブドウの深い闇「M 愛すべき人がいて」

#辛酸なめ子 #M 愛すべき人がいて #浜崎あゆみ
2020年5月8日 by

浜崎あゆみさんの自伝的小説が原作のドラマ「M 愛すべき人がいて」。個性的なキャラクターや”大映ドラマ”のようなセリフ&演出が話題になり「強烈すぎる!」「逆におもしろい」とハマる人が続出しています。

コラムニスト・辛酸なめ子さんもそのひとり。目が離せない展開に驚きを隠せないのだとか。今回は「M 愛すべき人がいて」の感想を思う存分語っていただきました!

「もっとイケメンだったら、もっと数字が上がっていた」!?

回を追うごとにカオス感が増しているドラマ「M 愛すべき人がいて」。浜崎あゆみの半生を描いた小松成美の小説を基にしていて、歌姫アユとプロデューサーのマックス・マサが音楽業界を駆け抜けるスペクタクルなストーリー。二人を演じるのは安斉かれんと三浦翔平。

初回放映後、マサ役のモデルのMAX松浦氏が「もっとイケメンだったら、もっと数字が上がっただろう」と語ったと報じられ、世間をざわつかせたのも記憶に新しいです。

今となっては百戦錬磨の大物感漂う浜崎あゆみですが、ドラマの中のアユは福岡から上京してきたピュアな少女。実際のベルファーレよりもかなり健全そうなベルファインでマサに原石の輝きを見出されます。

マサのライバルプロデューサーの描き方に”大人の事情”が…?

第一回ではクラブのVIPルームで二人が初めて出会う運命のシーンが。「多少なりとも俺の心を揺さぶった」と、マサのプロデューサー魂に火が付きます。タレントではなく歌手としての素質を見出され、レッスン開始。

田中みな実演じる様子のおかしい秘書、姫野礼香に妨害されながらも、マサを信じてついていくアユ。「おまえは虹を渡りたいんだろ? だったらその虹、俺が作ってやる! 」とマサが言ったとたん夜空に虹が現れたシーンには驚きました。「俺の作った虹を渡れ!」「渡る!」とテンション高いやりとりが。音楽業界のトップに昇り詰めるにはこのノリについていかなければなりません。

ライバルのプロデューサー、輝楽天明(おそらく小室さんのモデル)がちょっとキモいキャラに描かれていたのがショックでした。諸事情ありそうです。

たまに”神がかる”マサ&虹の出現率の高さの謎

第二回では「アユは俺が磨いたときだけ輝ける」というマサの強い信念もあって芸能事務所を移籍したアユ。在籍していた事務所社長にマサが移籍をお願いするのです、マサの、土下座しそうでしない中途半端な体勢に反骨精神が表れているようでした。

アユは無事に「AVICTORY」に移籍。NYでレッスンを受け、その期間中にマサが訪れ服をプレゼントしてくれるという、プリティーウーマンばりの展開にテンションが高まります。(NYと言いながら汐留イタリア街っぽい風景が……)でもドラマでは二人の間にまだ肉体関係はなく、頭ポンポンくらいで真面目です。

帰国してからはライバルとの合宿で激しいいじめに遭うアユ。腕を脱臼しながらも10キロマラソンさせられ、心折れそうになるアユを、山の上に現れたマサが「今を見るな!!未来を想像すんだよ!!」「俺を信じろ!!アユ!!走れー!!」と励まします。「アユ、走ります!!」と脱臼しているのに三角巾を外し、腕を振って走り出したアユ。マサの言霊パワー、半端ないです。そしてまた空に虹が出現。幻覚とかではないですよね?

マサの発言が「神様がお前を選んだんだ」「俺は神様なんかじゃない。でもな、神様からのメッセージは届く」など、時々神がかっているのも気になります。芸能界とスピリチュアルは実際関係が深そうですが……。

マサがアユをお姫様抱っこ&回転。階段はなぜか無人

そして期待が高まる第三回。 白濱亜嵐演じるマサの部下、流川翔がガールズグループをプロデュースすることになり、アユはグループのセンターとして売り出されかけます。ソロでデビューさせようと思っていたマサは上司の強引な決定に憤り、トンネル内で「ゼッテェ負けねぇ!!!」とシャウト。クールなルックスですが意外と熱い男です。

アユもソロ歌手としてデビューを夢見ていたので受け入れられず、ベルファインの赤い階段の下から、階段の上に佇むマサに訴えます。前回も崖の上から呼びかけるマサとの構図がありましたが、プロデューサーと歌手の絶対的な位置関係を表しているのかもしれません。

「アユはダメです。マサさんに嘘ついちゃダメです」「アユはグループでデビューするのはイヤです!歌手になるのはやめます!」と、たどたどしいながらも渾身のアユの訴えに心動かされるマサ。笑顔になって「バーカ!やめさせるわけるねえだろ」「アユ〜!俺を信じろ〜!」と階段の途中でアユをお姫様抱っこして回転。結構危ないような……。このやりとりの間、階段付近に他にお客さんが全くいなくてベルファイン、大丈夫でしょうか。

アユの可能性は、原石の輝き、ルックス、そして”おもしろさ”

アユがグループではなくソロになることでますます嫉妬され、いじめが激化してしまいますが、耐えるあゆ。「私は誰かの夢と自分の夢のサイズを合わせることができない」と自分の意思を貫くアユの言葉に「やっぱお前面白いな」とマサは目を細めます。アユの文才を見出し、歌詞を書かせてアーティストとして売り出そうと決意します。実際の浜崎あゆみの言葉で書かれた曲が流れ、彼女の才能を改めて実感させられます。このドラマの影響で浜崎あゆみの曲がさらに売れる効果が期待できます。

マサは、アユの原石の輝き、ルックス、おもしろさに魅力と可能性を感じているようです。たしかにレストランの庭で歌い出したり、車のミラーに写った自分に向かって「アユはダイヤ!」と自己暗示をかけたり、砂浜にポエムを書いたり、アユはおもしろくてかわいいです。

秘書・姫野礼香の「許さな〜〜い」のインパクト

でもそんなアユよりも、秘書の姫野礼香の方がやばくておもしろいような……。「見える見えるよ、マサの未来が見える」と、のけぞってブドウを食べたり、無理やりマサにブドウを食べさせようとしたり、手作りの「マサ写真集」に婚姻届を貼りつけたり、色気と狂気で迫ります。野太い声の「許さな〜〜い」も耳から離れません。

でも、このドラマで改めてわかりました。本当に男性の心をつかみたかったら、おもしろすぎではいけないのです。アユくらいの天然っぼくて適度なおもしろさがプロデューサーに愛されるのです。「M 愛すべき人がいて」からは女性の処世術も学べます。

「M 愛すべき人がいて」を星評価!

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辛酸 なめ子

漫画家・コラムニスト 武蔵野美術大学短期大学部デザイン学科卒。雑誌連載、執筆活動の合間を縫ってテレビ出演も。

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