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一本気な熱い演技と圧倒的なオーラ!役者・長瀬智也の5つの才能【映画ライターが分析】

#SYO #長瀬智也
2021年1月21日 by

映画ライターのSYOと申します。日本のドラマ・映画界に欠かせない俳優さんの「5つの魅力」を分析する本企画、第18回は長瀬智也さんについて書かせていただきます。

TOKIOのメンバーとして、1994年から長きにわたり活躍してきた長瀬智也さん。2021年4月1日からは、ジャニーズ事務所を退所し、個人での活動を行われるそうです。寂しいですが、その前に主演ドラマ『俺の家の話』の放送が控えています。本作は、盟友・宮藤官九郎さんが脚本を書き下ろしたオリジナルストーリー。長瀬智也さんの“有終の美”となる可能性もあるため、しっかり見届けたいところです。

今回は、『俺の家の話』放送前に改めて、長瀬智也さんの俳優としての魅力を振り返っていきましょう。

1 “画面映え”がすさまじい!あふれ出るスター性

俳優としての長瀬智也さんについて考えるとき、真っ先に思い浮かぶのは、あの圧倒的なオーラです。180センチを超える高身長やルックスによるところもあるかとは思いますが、スターにふさわしい雰囲気は、一度見ただけで強烈に脳裏にインプットされてしまうのではないでしょうか。男女問わず人気が高いという特長も、その裏付けといえるかもしれません(余談ですが、高校生の時、長瀬智也さんの髪形に憧れてショートウルフにしていました……)。

そんな長瀬智也さんの魅力がいかんなく発揮されたのが、ドラマ『ムコ殿』かと思います。時代の寵児ともてはやされる人気シンガーソングライターが、婿入りをして成長していく……というお話ですが、「世間ではクールなスター」「実際は恋にまっすぐな好青年」のギャップが本人のキャラクターにばっちりハマっており、思わず応援したくなる主人公像を確立していました。放送当時は自分はまだ小学生でしたが、本作での長瀬智也さんの輝きは、いまだに脳裏に焼き付いています。

2 長く愛される作品を引き当てる“嗅覚”

『ムコ殿』もそうですが、長瀬智也さんの出演作は、長きにわたって多くの方から支持されている人気作が多い印象です。たとえばドラマ『白線流し』は、スピッツの主題歌『空も飛べるはず』も相まって、若者の青春群像劇の名作として不動の地位を築いています。連続ドラマが1996年に放送され、その後スペシャルドラマが計5本制作され、10年近く続く長寿シリーズとなりました。

ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』も、若者たちが必ずと言っていいほど通ってきた作品ですし、ここにきてテレビアニメ化されたことも、原作の人気はもちろん、ドラマの影響力が絶大だったからこそといえるでしょう。この作品だけでも、長瀬智也さんにドハマりしてしまった方も多いのではないでしょうか。

良作を「引き当てる」能力と、良作に「押し上げる」実力と……長瀬智也さんがどちらも備えているからこそ、このような現象が起こっているのだと思います。

3 まっすぐ真剣に! “一本気な演技”が爽快

ではここからは、もう少し細かく、長瀬智也さんの「演技の特長」について考えていきましょう。これまでご紹介してきた作品もそうですが、彼の演技はいつだって純粋でまっすぐ。それでいて真剣さが伝わってくるから、どんな役を演じていても、観ていて気持ちがいいのです。

演技の仕方には、ものすごくざっくり分けてしまうと「計算型」「感覚型」の2つがあるかと思います。細かく計算して、設計図を組み立てて「こう思わせたいから、こう動く」というようなテクニシャンの役者と、キャラクターと深く結びついて、「自分が思ったままに動く」が役柄とシンクロするところまで没入する役者と……。後者は特に、役者自身の人柄が如実に出るように思いますが、長瀬智也さんはご本人のブレない心意気が、演技に大きな影響を与えているように感じます。

韓国ロケに挑んだアクション映画『ソウル』では、がむしゃらに演技にぶつかっていく姿が主人公と重なりましたし、映画『空飛ぶタイヤ』では、年齢を重ねて護るべきものが増えた大人の生きざまを、熱く熱く演じ切っていました。嘘がないから、信じられる。観客や視聴者が素直にそう思えるのは、長瀬智也さんだからこそでしょう。

4 ワイルド&エネルギッシュさを“笑い”に変える

演じ手本人に比類なき説得力があるため、直球の役柄はもちろん、遊び心を織り交ぜた“変化球”が成立する――。これもまた、長瀬智也さんの面白さです。

新垣結衣さんの出世作である『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』では、27歳のヤクザの青年が、高校に入学するという奇想天外な設定を、難なくこなしました。ネタとしては魅力的でも、実際演じたらば「設定負け」してしまう危険性もあった企画かと思いますが、違和感がないどころか「次は何をしてくれるんだろう?」とワクワクさせてくれるから流石です。

さらに、「オープンハウス」のCMでは小学生役にチャレンジ! これは流石に無理があるだろう……と思いきや、実際に観てみると、彼のピュアな魅力がマッチしているため、「役者と役がズレている笑い」ではなく「役者と役がハマってしまっている笑い」というハイレベルなミラクルが発生。「トッポ」や「写ルンです」など、クスッと笑わせてくれるCMは数知れずです。それもこれも、長瀬智也さん自身の人当たりの良さがなせる業だといえます。

5 他の人には演じられない!“絶対的な領域”を持つ

その人が魅力的だから、役も輝く――。長瀬智也さんはその法則を地で行く方かと思いますが、彼のすごさは、「他の者には演じられないキャラクターをモノにできる」こと。高校生役や小学生役にとどまらず、「こんな役があったのか!」と思わせるような領域にどんどんチャレンジしています。

その最たるものは、映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』でしょう。『ムコ殿』でも共演した神木隆之介さんとの“共闘”となった本作で長瀬智也さんが演じたのは、なんと赤鬼。約90分もかかるという特殊メイクで全身真っ赤な地獄の鬼になりきり、ぶっ飛んだ演技で終始笑わせてくれます。しかも、「この人しかいない!」と思わせる完成度だから余計に面白い。

そんな長瀬智也さんの魅力を引き出す人物として、宮藤官九郎さんの存在は外せません。映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』『真夜中の弥次さん喜多さん』、ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』『うぬぼれ刑事』『タイガー&ドラゴン』……最新主演作となるドラマ『俺の家の話』に至るまで、刺激的な物語と役を次々に用意。

『俺の家の話』は、能楽師の家を飛び出してプロレスラーになった主人公が、父親の介護をするべく実家に舞い戻る……というお話で、他ではお目にかかれないストーリーであり、長瀬智也さんにふさわしいキャラクターといえるでしょう。どのような活躍を見せてくれるのか、楽しみでなりません。

まとめ

こうして改めて振り返ってみると、やはり長瀬智也さんは替えの利かない存在だと痛感します。過去作も今も、まるで変わらない不朽の魅力――。この先も多くの方々が折に触れて彼の出演作を観て(もちろん音楽も聴いて)、その才能の虜になることでしょう。

SYO (映画ライター)

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイトの勤務を経て映画ライターに。「CINEMORE」「FRIDAYデジタル」「Fan's Voice」「映画.com」「新R25」「DVD&動画配信でーた」等に寄稿。Twitter「syocinema」

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