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【凪のお暇】自分探し中の凪・モラハラ慎二・メンヘラ製造機ゴンから目が離せない3つの理由

#凪のお暇 #慎二 #ゴン #フジテレビ
2023年12月25日 by
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突然ですが、毎日は楽しいですか?

きっと、世の中の大半の人が大なり小なり自分を抑えて勤務先や学校に向かい、優しくない日々を乗り切っているかと思います。

でも時々、どうしようもなくむなしくなって、全部が嫌になって「何のために生きているんだっけ……」と涙があふれてしまう瞬間があるはず。

そんな迷える私たちに寄り添ってくれる素敵なドラマ、それがTBSテレビで放送中の『凪のお暇』です。

このドラマのどこが視聴者の心を捉えるのか、その3つの理由を紐といていきましょう。

引用: Paravi

【凪のお暇】日常に疲れたら「逃げていい」メッセージの”優しさ”

『凪のお暇』は、黒木華さん・高橋一生さん・中村倫也さんが共演した「自分再発見ドラマ」です。コナリミサトさんによる原作マンガは累計200万部を突破した人気作なので、ご存じの方も多いかと思います。

主人公は、「空気を読む」ことが特技の28歳のOL・大島凪(黒木華)。大人しい性格のため思っていることを口に出せず、同僚からは仕事を押し付けられ、社内恋愛中の恋人・我聞慎二(高橋一生)にも流されてばかり(付き合っていることも口外禁止……)。

唯一の趣味は節約で、月に1度の通帳記帳がひそかな楽しみの女性です。

空気を読んで、自分を消して周りに合わせていた過去

毎日毎日毎日、空気を読んで。楽しくないけど、無理やり笑って。知り合いのSNSにいいねをつけて回って。そうしないと嫌われてしまうから。ひとりぼっちになってしまうから。

凪は自分の置かれている境遇を「当たり前」と洗脳して、疲れている心を見ないようにして生きてきました。でも、信じていたはずの慎二の心無い一言で、張りつめていた糸が切れてしまいます。

凪は会社を辞め、ケータイを解約し、布団とわずかな服以外は全部捨てて、郊外の古びたアパート(クーラーなし)に引っ越します。こんなことが自分に起こるなんて思わなかったけど、しばしの「お暇」の始まりです。

弱者の人生を丁寧に見つめたドラマ

『凪のお暇』は、他人に合わせることで生きてきた凪が、揺るぎない「自己」を形成していく姿を、温かくも時にビターに描いた作品。戦うことのカッコよさや美しさを描いた「お仕事ドラマ」とは真逆の、逃げることを肯定した「後ろ向きな物語」が、私たちの心を癒してくれます。

みんながみんな、社会で自分らしくいられるわけじゃない。でも、無理に合わせようとしなくていい。逃げていいし、捨てていい。きっと多くの人が、『凪のお暇』が訴えるメッセージを心の中で待っていたはず。

本作は、普段はスポットが当たらない「弱者」の人生を丁寧に見つめた意義深いドラマでもあるのです。

【凪のお暇】凪は視聴者の分身・お暇を疑似体験しながら”共感”

『凪のお暇』にハマってしまう理由、それは何と言っても共感性にあります。もちろん、恋愛ドラマとしても「次はどうなるんだろう?」とワクワクさせてくれる展開はたくさんありますし、凪、慎二、凪の隣の部屋に住む人たらしの青年・安良城ゴン(中村倫也)の三角関係のゆくえは、観ていてとても気になるところ。ただそれは、キャラクターが魅力的だからこそです。

小さい頃から人の顔色をうかがっていた凪

本作のヒロイン・凪は、小さいときから人の顔色ばかりをうかがって育ってきた人です。学校ではくせっ毛をからかわれ、母親には苦手意識を持ち、大人になった今も他人に嫌われないように本音を隠して生きています。

毎日1時間かけて髪をストレートに整え、服も主張が強すぎないものを選び、「本当の自分」が出てこないように演じる日々。

「お暇」を始めて外見が変わって(元に戻って)も、彼女の内面がシンデレラみたいに劇的に変わるわけではありません。むしろその逆。

図書館を訪れた凪がまず手に取ったのは、自己啓発本。これは、彼女が人に合わせるスタイルから抜けきっていないことを示しています。

空気は読むものじゃなく、吸って吐くもの

凪は啓発本に促されるがままに、やりたいことをノートに書き出そうとしますが、何も書けません。彼女はそこで初めて、会社を辞めて人間関係をリセットしても「自己」はすぐに芽生えるものではないと悟ります。原因は他人ではなく、自分にあったのです……。

でも、現状を把握することは大きな前進。凪は少しずつ、自分を出そうと取り組んでいきます。それは、「声を上げる」ということ。八百屋でお会計が間違っていたら、勇気をもって指摘する。慎二に嫌なことをされたらちゃんと拒絶する。

第1話の凪のセリフ「空気は読むものじゃなく、吸って吐くもの」は、ぎゅっと観る者の心をつかみます。

失敗を繰り返す等身大のヒロインは自分の分身

本作はご都合主義のサクセスストーリーとは全く違っていて、会社を辞めたはいいもののすぐに貧乏生活で苦しんだり、慎二に引っ越し先まで押しかけられたり、ゴンに依存してメンヘラ堕ちしたり、他人を外見だけで判断して後悔してしまったり、失敗を繰り返したりと、凪は毎回のように大変な目にあいます。でもだからこそ、凪は多くの人々に愛されるキャラクターなのです。

「主人公補正」がかからないからこそ、信用できる。好きになれる。凪の中に自分自身を見ることができる。生活も恋愛も、目の前の物事に全力でぶつかり、その都度ミスして落ち込みながらも自分を変えようともがく彼女には、ウソがありません。そのため、私たちの分身として共感できるのです。

【凪のお暇】モラハラ慎二・メンヘラ製造機ゴンの”変化”に注目!

「自分事」として受け止められる、豊かな人物描写。これは凪に限ったことではなく、他のキャラクターにもいえます。

『凪のお暇』では、ちょっとサイコパス気質だった慎二が実は愛情表現が不器用な人だったり、ゴンが複雑な内面を持っていたりと、どのキャラクターもステレオタイプな「善人」「悪人」として描かれておらず、観れば観るほど味が出る仕掛けが施してあります。

本音を言えないのは凪だけではなく、慎二もゴンもそうだったと気づいたとき、このドラマは一気に面白さが増していくのです。

営業部のエースの慎二。モラハラ気味で、号泣するクセも

例えば、第1話の中で慎二は3回変化します。初印象は、営業部のエース。爽やかな外見と人当たりの良さで、女子人気も抜群の完璧な人間として描かれます。

ところが、凪の前だと態度が一変。「ブスになったな」「お前は絶対に変われない」と残酷な言葉を浴びせ、視聴者からの印象は最悪になります。先ほど触れましたが、凪の引っ越し先を調べていきなり押し掛け、拒絶されても「また来るね」と言い放つ姿はかなり怖い……!

しかし第1話の最後で、そのイメージはまた崩されます。慎二は凪がくせっ毛を隠していたことも、嫌われないように毎日努力していたことも全部知っていて、それも含めて好きだったのです。

フラれてしまった悲しみで号泣する慎二の姿を観たとき、きっと衝撃を受けるでしょう。怖い演技をしていても、どこかに悲しみや優しさを漂わせる高橋一生さんの魅力が、非常に効果的に作用しています。

万人に優しい人たらし。無自覚のメンヘラ製造機・ゴン

一方、ゴンは人との距離の詰め方が独特で、凪は自分がお姫様になったように一気に惹かれていきます。人が嫌がる言葉を絶対に言わず、うんうんと聞いてくれるゴンのそばにいることは心地よく、凪もついに理解者を見つけたのか……と安心するかもしれません。

ですが、ゴンはその性格ゆえに「メンヘラ製造機」の一面も持っていたのでした。彼に魅了された女性たちは皆、甘いお菓子のような優しさを与えられて生活が破綻してしまうのです……。

ゴンみたいな人に対する抗体を持っていなかった凪はずぶずぶと「沼」にはまり、観ているこちらが心配になるほどのめり込んでいきます。

まさに天然魔性の人ですが、ゴンは無自覚のうちに苦しみや葛藤、寂しさを抱えていました。誰に対しても公平に接する代わりに、誰に対しても執着できない、誰かを特別視できない人だったのです。

そんな彼が、第5話から6話にかけて変化していく展開には要注目。変幻自在の人気俳優・中村倫也さんの見事な表現力が、強く印象に残ることでしょう。

もっと知りたくなる!それぞれのキャラクターが魅力的

凪も慎二もゴンも、表面的な「キャラクター」ではなく、角度によって見え方が変わる「人」として存在している。だからこそ魅力的で、もっと知りたくなる。そして同時に、自分と重ね合わせて観てしまう。

これは『過保護のカホコ』(2017年)、『Nのために』(2014年)、『Mother』(2010年)など、時間が経っても人気が衰えない名作ドラマに共通する特徴。『凪のお暇』がここまでヒットしているのも納得です。

ちらりと原作のお話をすると、コナリミサトさんは過去作の『珈琲いかがでしょう』でも『ひとりで飲めるもん!』でも、人の外面と中身のギャップをほろ苦いタッチで描いてきた漫画家さんです。

『凪のお暇』という物語の面白さは、コナリさんの人間に対する深い観察眼が根底にあるといえるでしょう。ご興味がある方は、漫画の方もぜひご一読ください。

さて、ドラマはここからいよいよ佳境に入っていきます。第7話からは、原作にないオリジナル展開が待っているとのこと。

3人の恋はどうなるのか、凪の「お暇」生活はどんな結末を迎えるのか、楽しみに見届けましょう!

「凪のお暇」の口コミはTVログでチェック!


※ページの情報は2023年12月25日時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。

SYO (映画ライター)

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイトの勤務を経て映画ライターに。「CINEMORE」「装苑」「CREA」等に寄稿。劇場公開映画の脚本・編集協力や映画祭の審査員等も務める。

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