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【辛酸なめ子コラム】色気ダダ漏れ中村倫也が地味な主婦を覚醒させる「美食探偵 明智五郎」

#中村倫也 #辛酸なめ子 #小池栄子 #美食探偵 明智五郎
2020年4月17日 by

中村倫也主演のドラマ「美食探偵 明智五郎」の放送が開始されました! 放送終了あとは#美食探偵がトレンド入りし「中村倫也の色気がやばい」「小池栄子の真骨頂」などSNSでも話題沸騰。

コラムニストの辛酸なめ子さんも初回を視聴し、スピード感のあるストーリーとミステリアスな展開に引き込まれたようです。詳しくお話を伺っていきましょう!

「美食探偵 明智五郎」はとことん”エンゲル係数”の高いドラマ

スリルにサスペンス、ラブロマンスにバディものに食欲、と魅力的な要素が満載の「美食探偵 明智五郎」。東村アキコ氏の漫画が原作となっていて、どこかクラシカルな世界観に高級感漂い、エンゲル係数の高さがにじみ出ています。宇多田ヒカルの主題歌も大人な感じでした。

中村倫也が演じるのは食にこだわる美食探偵、明智五郎。クールなポーカーフェイスで、難事件を解決していくのですが、食にこだわり、ランチタイムを重視しています。

美食探偵の張り込みはアンパン&牛乳ではない

探偵は張り込みでアンパンと牛乳のイメージですが、彼は食事のクオリティを追求。移動式のフードトラック「いちご・デリ」を気に入っていて、お昼はそこの日替わり弁当を購入しています。ただ支払いの時は、ブラックカードを出して、結局使えないのでつけがたまっています。小芝風花が演じる「いちご・デリ」店主の小林苺は、お弁当代をとりかえそうと探偵事務所に足を踏み入れ、事件に巻き込まれていきます。

最初の事件は初級レベルで、サクっと解決。ブーランジェリーの店主がめん棒で殴られ、山の中で変死体で発見されたという事件。そのブーランジェリーでパンを買っていた明智五郎は「この酵母パンは、とてももっちりしっとりしている。酵母菌は湿気に弱い。犯行が行われたら血痕を水で洗い流す必要あるのでもっちりしっとり焼き上がらない」と、従業員犯人説を否定します。

結局、ブーランジェリーをつぶしてコンビニにすると言って揉めていた店主の息子夫婦が容疑者として浮上します。

明智&苺の”目立ちすぎる”尾行

続いて、地味で暗めだけれど美しい主婦が探偵事務所を訪れ、夫の浮気調査を依頼します。小池栄子演じる主婦は、まじめな研究職の夫について、なぜか毎日、服から違う食べ物の匂いがする、と相談。趣味はSF小説を読むことくらいで、変化を嫌い、夕食は毎日決まった魚料理とご飯とお味噌汁なのに、なぜ……?といぶかっています。

さっそく調査に向かう明智五郎と、後をついて行くランチを届けることを依頼された小林苺。かなり目立つ組み合わせで、尾行対象者にバレてしまいそうですが……。地味な夫が女性のアパートに迎え入れられ、窓を開けた女性が料理を味見する姿を凝視。そして何日間か、夫が女性のアパートに通う証拠写真を撮影。

1時間では終わらない明智の食事&セックスを連想

お昼休み約1時間で、食事とセックスを時間的に済ませられるものかという主婦の問いかけに、「できま……せんね」と正直に答える探偵。その時の明智五郎の笑顔が、それまでクールな表情を保っていたのに、一瞬、リアルに行為を想像した感じが出ていて良かったです。主婦は納得いかない様子でしたが、しばらくしてアパート前で殺人事件が発生。殺されたのは、地味な主婦の夫らしき男性でした。犯人と思われる主婦は、血しぶきを浴びた姿で車を運転、海へ向かいます。

ところでこの殺人事件のきっかけを作ってしまったのは明智五郎でした。主婦の相談に乗った時に、「あなたは本当のあなたを心のどこかにしまい込んでしまっているんじゃないですか」「これからは本当のあなたをもっと自由に解き放つべきだ」と語りかけ、それが彼女の心を変化させたようでした。自分の内側に封印していた怒りや殺意に気付いてしまったのでしょう。事件を誘発させる探偵……マッチポンプでは、という疑惑が浮上します。

ちなみに、浮気疑惑の真相は、お店を出したい夢があった女性が、主婦の夫に試食してもらっていたそうでした。家では同じ魚料理しか食べないのに、フードプロデューサー的な素質もあったのでしょうか……。この男性の謎めいたキャラについてもう少し知りたかったです。

妖艶な女性へと変貌した主婦と明智のこれからの展開に注目

明智五郎は犯罪直後の主婦と高級フレンチで食事し、彼女に本意を聞かされます。「夫婦にとってセックスと食事ってどちらが大切なのかしら。食事はどちらかが死ぬまで続く大事な夫婦の営みだわ。許せなかったの私。妻の私に魚料理ばかり作らせて……」と、他の女性と食事を楽しんでいたのが許せなかった様子。しかも「あの人はやってないわ。あの人は不能なの」と殺した上にプライバシーまでバラしていました。この主婦の本性は相当やばい人では……。

しかも殺害の回想シーンが流れていましたが、「ドイツ製の包丁で喉をかっ切ってやったの」とのことで、40代のまじめそうなメガネ男性が、首から噴水のようにビシャーッと血を噴出していました。堅物で不能と言われ、さらにこんな殺され方で不憫すぎます……。

この主婦は豹変し、「マグダラのマリア」を名乗り、殺人に目覚めていくのですが、マグダラのマリアと明智五郎は、江戸川乱歩の小説の明智小五郎と黒蜥蜴のように、業が深い同士で引き寄せ合っているようです。

常に上から目線!イケメン御曹司・明智の問題行動

明智五郎も、今回拝見してかなり問題があるように思いました。地味な主婦を殺人に駆り立てただけではありません。常に上から目線で「悪くない……」が褒め言葉だったり、自分がエビアレルギーだからといって小林苺にメニューにないちくわの磯辺焼きを作らせたりといった細かいところも目に付きます。

さらに探偵は実は免許を持っていなくて運転は小林苺頼みで強引に車を出させたり、自分たち(明智五郎と主婦)は高級フレンチで食事し、小林苺は外で待機させていたのも結構ひどいです。しかも主婦に色目を使ってアピール。その主婦に睡眠薬を盛られて朦朧としてしまい、小林苺に現場まで連れて行ってもらったのに、自分が発見したかのように言ってみたり。崖から落ちそうな小林苺を「自業自得」と言って助けようとしなかったり……。

イケメンで御曹司だから調子に乗ってしまったのでしょうか。犯人と同じくらいのサイコパス的人格でないと、犯人の心理がわからないのかもしれません。もしかしたら今後、実はちょっといい人的なギャップ萌えの展開があるかもしれないので注目したいです。

「美食探偵 明智五郎」TVログの感想は?

 

 

辛酸 なめ子

漫画家・コラムニスト 武蔵野美術大学短期大学部デザイン学科卒。雑誌連載、執筆活動の合間を縫ってテレビ出演も。

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