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【辛酸なめ子×徳尾浩司対談・後編】おっさんずラブ in the sky ふたりが選ぶ名シーンSelect6

#おっさんずラブin the sky #辛酸なめ子 #徳尾浩司
2020年2月17日 by

「おっさんずラブ -in the sky-」でおっさんたちの恋の行方を見守り、コラムを執筆した辛酸なめ子さんと「おっさんずラブ」シリーズの脚本家・徳尾浩司さんのほろ酔い対談・後編。

前編では、「おっさんずラブ -in the sky-」制作現場の裏側、名シーン誕生秘話、そして話題を呼んだ最終回について語っていただきました。

今回は辛酸なめ子さん、徳尾浩司さんが選ぶ「おっさんずラブ -in the sky-」名シーンについて伺いました!

辛酸なめ子・徳尾浩司の「おっさんずラブ – in the sky -」名シーン6

 

【辛酸なめ子 select1】7話 春田がコートのポケットに成瀬の手を入れるシーン

辛酸:春田創一(田中圭)が「帰ろ」と成瀬竜(千葉雄大)の手を握って「手が冷てぇ」とポケットに入れる。この最高の萌えシーンを黒澤武蔵(吉田鋼太郎)が見ていたというのがおもしろかったですね。なぜこんな遅い時間までウロウロしてるのかと思いました。機長なのに(笑)

徳尾:黒澤はこの直前に、パイロットを辞めるということを娘に伝えていて、そのことを春田にも伝えようと寮に向かっている途中、という裏設定がありました。「おっさんずラブ-in the sky-ゆく年くる年SP」でも走っているシーンが出てきますね。古きよきトレンディドラマのように“目撃”してしまうという(笑)

辛酸:このあとふたりは寮に帰っていきますが、そもそも寮がきれいすぎですね!これは美化されたBL世界の願望ですか?テラスもムード満点ですしね。

徳尾:願望!(笑)確かにこのシチュエーションだと恋は生まれやすいかもしれませんね。実際テラスを舞台にいろいろ起こりましたし。ここは普段、実際に住んでいる方がいらっしゃるようです。

【徳尾浩司 select1】4話 ラストフライトする飛行機を前に四宮と成瀬が語り合うシーン

徳尾:僕は初号機が引退するときのシーンが好きですね。

辛酸:四宮要(戸次重幸)と成瀬が話すシーンですか?

徳尾:四宮が「こいつはいちばん最初に整備した飛行機。憎めないヤツでさ……真っ直ぐっていうか……ガムシャラっていうか……」みたいな話をするんです。そこで成瀬が春田をその飛行機にたとえて四宮と会話するやりとりと飛行場のシーン。

辛酸:飛行機が擬人化されているシーンですね。飛行機を愛する者どうしの会話がかっこよかったです。

【辛酸なめ子 select2】8話 成瀬が不意打ち!四宮へのキス

徳尾:これは最終回ですね。砂糖をいっぱいかけたグラタンのシーン。四宮がキスをしようとしたのを見抜いた成瀬が不意打ちでキスするっていう。

辛酸:このシーンがあまりにかわいすぎるんですが、徳尾さんが考えたんですか?

徳尾:このシーンは、プロデューサー陣の女性5人と僕とで議論して生まれました。「四宮からキスをしてもいいんじゃないか」「いやそこまで成瀬への気持ちは育ってないよね」とか。台本の入稿ぎりぎりまで議論し合ったのを覚えています。

辛酸:あのとき、四宮は成瀬のことを好きになっていた?

徳尾:どうなんでしょうか。まだ好きにはなってないと思うんですけど。でも、ニコニコしながらグラタンに砂糖をかける成瀬のかわいい笑顔を見たときに、一瞬グラッとくるのはあるんじゃないか。そこを見抜いて成瀬のほうから意地悪く「キスしようとしましたよね」って言うのがいいんじゃないかなと。だから最後は成瀬からキスしたほうがいいと決着しましたね。

辛酸:男女関係では「キスしようとしてた?」「してない」という会話はあまりないと思いますが?

徳尾:そう言われると……男女関係ではないでしょうね。男同士ならではのかわいい会話かもしれないです。

【徳尾浩司 select2】5話 春田と緋夏が池でボートデートをしているシーン

徳尾:もうひとつ心に残っているのが、春田と橘緋夏(佐津川愛美)がボートに乗っているシーンです。昔、この公園のすぐ近くに住んでいたことがあったので(笑)

辛酸:デートなのに、春田が成瀬の話ばかりしていて。

徳尾:相手がほかの人の話ばっかりしていて自分を全然見てくれなくて。緋夏の切なさが表現されていていいシーンでした。

【辛酸なめ子 select3】7話 黒澤から告白された春田が想いに応えられず泣くシーン

辛酸:黒澤から告白された春田は「ダメです」と。想いはありがたいけどそれには応えられないというシーンが印象的でした。

徳尾:「おっさんずラブ -in the sky-」は、春田が主体性を持って恋をしています。この時点で春田が恋をしているのは成瀬でした。黒澤に迫られても、尊敬の念はあるけど恋とは違うんだと答えていました。

辛酸:このあと最終回で黒澤への愛に気づくんですね。

徳尾:「おっさんずラブ」2018年のドラマは恋がテーマでしたが、「おっさんずラブ -in the sky-」では様々な愛をテーマにしています。春田は黒澤に恋をしたわけじゃないけれど、いなくなることに対してはとてつもない喪失感が生まれた。恋ではないかもしれないけど愛に近い気持ち。愛に近い感情で一緒にいてほしい、一緒に幸せを見つけにいきたいという気持ちで終わりました。

【徳尾浩司 select3】4話 黒澤杯卓球大会のシーン

徳尾:「おっさんずラブ」はシチュエーションを利用して想いを吐露し合う場面がたまにでてきます。誰が誰を好きという矢印が複雑になってきたところで、この卓球シーンが生まれました。

辛酸:卓球シーンは衝撃でしたがこのシーンのおかげで春田、黒澤、成瀬、四宮との関係が今どうなっているのかわかりました!小さな黒澤の登場も!「サー」もよかったですね。

徳尾:卓球シーンの前に沖縄フライトがありました。そこで黒澤が「サ〜」と言っていた流れから卓球の福原愛さんの「サ〜」になったという(笑)

辛酸:すごい伏線でしたよね(笑)

脚本家・徳尾浩司「おっさんずラブ」への想い

辛酸:最後に、徳尾さんの「おっさんずラブ」への想いをお聞かせいただけますか?

徳尾:僕にとっての「おっさんずラブ」は宝物のような作品。キャストもスタッフも本当に素敵な人たちにめぐりあえて、充実した三年間でした。色々な人に愛されて、旅立って、もうどこか遠いところに行ってしまった作品のような気もします。

辛酸:血糖値を乱高下させすぎず、大人の女性にも優しい興奮をもたらしてくれた素晴らしい作品でした。あれから飛行機に乗るたびに、パイロットや整備士の男性を目で追ってしまいます。ガチなおっさんばかりですが……。妄想の余地を広げてくださってありがとうございます。これからも「おっさんずラブ -in the sky-」の登場人物たちの残像を探していきたいです。

「おっさんずラブ -in the sky-」TVログのみんなの感想は?

 

「おっさんずラブ -in the sky-〜ゆく年くる年SP〜」TVログのみんなの感想は?

 

 

辛酸なめ子

漫画家・コラムニスト 武蔵野美術大学短期大学部デザイン学科卒。雑誌連載、執筆活動の合間を縫ってテレビ出演も。

【心に残っているドラマ】「スワンの涙」「高校教師」「ポケベルが鳴らなくて」

 

徳尾浩司

脚本家。慶応義塾大学卒業。劇団とくお組主宰。青春群像劇やコメディ作品が多い。代表作は「おっさんずラブ」。

【心に残っているドラマ】「振り返れば奴がいる」「彼女たちの時代」「それが答えだ」

文:佐藤史恵 写真:永禮 賢

撮影協力:Pipal https://www.pipal.co.jp/

TVマガ編集部

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