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【映画ライターが分析】高橋一生、斎藤工、井浦新…大人の色気を身に纏う役者

#高橋一生 #斎藤工 #井浦新
2020年10月2日 by

映画ライターのSYOと申します。毎回、テーマに合わせて素敵な役者さんをご紹介する本連載、5回目を迎えました。「流し目」「声の演技」「振り幅」「泣きの演技」に続き、今回は「大人の色気」というお題で書かせていただきます。

大人の色気とは、何ぞや。言葉で説明するとなかなか難しいですが、強いて言うなら酸いも甘いも噛み分けてきた人物だからこそ醸し出せる、ゆったりとした余裕や包容力のようなもの、かもしれません。こちらでは太刀打ちできなさそうな、圧倒的格上感!みたいなものもあるような気がします。

捉えがたいからこそ、惹かれてしまう――。今回は、そんな「大人の色気」を感じさせる俳優さんをお三方、ご紹介します。なお、本企画は毎回まだご紹介していない方について書く縛りになっており、もしご興味があれば、過去のシリーズもチェックいただけたら嬉しいです。

引用: Hulu

包容力と、ひとさじの哀愁――アンバランスな“隙”の色気・高橋一生

引用: Hulu

このお題を聞いたときに、真っ先に浮かんだのが、高橋一生さん。彼が持つ色気というのは一言では表現しづらく、その得も言われぬ感じが最高という……。個人的に魅力的に感じるのは、常にどこか哀愁が漂っている部分です。

包容力を暖かな目線と共に放出しながらも、切なさもにじみ出ているアンバランスさ。この相克が絶妙で、どんどん目が離せなくなっていく。例えば、ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』では、髪を金髪に染めて近寄りがたい雰囲気を醸し出しつつ、不意に泣き出しそうな表情を見せる――この落差が、心をわしづかみにします。

「大人の色気」というと、冒頭に述べたように常にこちらの上を行き、手のひらで転がしてくる感じがあるのですが、高橋一生さんの場合はそうかと見せかけつつ、「弱さ」が垣間見えてしまうところに、大きな特徴があるように思います。

ドラマ『竜の道 二つの顔の復讐者』は、カチッとしたスーツに目力など“攻め”の色気で押しつつも、やっぱり哀愁が漂う。映画『億男』や映画『blank13』も、どこか喪失や欠落を抱えた人物を演じてきましたし、映画『ロマンスドール』は、色気以上に不格好な愛おしさがありました。ドラマ『凪のお暇』で演じた役も、精神的なもろさがあるキャラクターでした。隠しきれない人間くささというか、そうした“隙”が色気に変換される稀有な役者さんだと思います。

しかし……最新出演映画『スパイの妻』では、この不安定な色気が全て意図的に計算された仕様になっています。本作で高橋一生さんが扮したのは、正義のために日本国家を裏切ろうとする企業の社長。これまでの高橋一生さんの色気が、役の“本音”が染み出す部分にあったとすれば、今回は「何を考えているかわからない、本心が見えない」キャラクター。優しいけど陰があり、でもそれすらも演技かもしれないという……。新鮮な高橋一生さんの姿に、ゾクゾクさせられること請け合いです(衣装の着こなしも素晴らしいです!)。

どんな役を演じても、見事に崩れない――“不変”の色気・斎藤工

引用: FOD

その高橋一生さんと、ドラマ『東京独身男子』で共演した斎藤工さんも、「色気がある俳優」の代表格(映画『blank13』では、監督と主演俳優という関係性でした。2人が兄弟役を演じているのもシビれます。映画としても傑作ですので、未見の方はぜひ)。

彼の場合は、人気が爆発した作品の1つであり、ご本人も「ターニングポイントになった大事な作品」と語っている『昼顔』シリーズのイメージもあるかと思いますが、とにかくずっと色気が止まらない。いわば、色気の“不変性”が興味深いです。

斎藤工さんは自他ともに認める多作な俳優さんであり、監督としても活躍。彼が出演している作品は数えきれないほど多く、それぞれで様々な表情を見せてくれているのですが、どの作品を観ても色気がほとばしっている。眼差しも佇まいも、そして耳をとろけさせるような低音ボイスも……。もはや斎藤工さんを構成する主要素が、「色気」なのかもしれません。

ザ・二枚目な役はもちろんのこと、キレッキレの個性派キャラクターでも、斎藤工さんの魅力によって、不思議なカッコよさが生まれているのが驚異的です。例えば映画『愛と誠』(2012年版)は昨今の日本では珍しいハイテンションミュージカル映画で、斎藤工さんはぴっちり七三分けにめがね姿で、爆笑もののダンスと熱唱を繰り出しているのですが、ここまでやり切ってもまだ色気が勝っている。

直近の作品でいえば、Amazon Prime Videoのオリジナル作品『緊急事態宣言』で「未知のウイルスが蔓延し、生まれてからずっと外出自粛をしてきた男」を演じているのですが、髪がボサボサであっても、防護服に身を包んでいても、目が血走っていても、艶っぽさが逆に増しています。もちろん、本人の高い演技力があってこそですが、斎藤工さんが体現する「エロス」は、各々の作品に味わい深さを与えているように感じます。

来年公開の映画『騙し絵の牙』でも曲者をセクシーに演じていますし、超話題作『シン・ウルトラマン』も控えています。またまた、斎藤工さんの色気になぎ倒されてしまうことでしょう。

演技の静動に関係なく、繊細に染み出る――“清廉”な色気・井浦新

引用: FOD

最後のおひとりは、井浦新さん。彼が持っている色気も非常に希少で、慎ましやかで高純度で、清らか。綺麗で透き通っているのに、色気が伝わってくるという……。繊細さが突き詰められると、こんな風合いになるのかと、井浦新さんを見るといつも思います。

1999年の初主演映画『ワンダフルライフ』から20年以上が経過しましたが、ずっとイメージが変わらないのも、井浦新さんのすごさですよね。落ち着いていて、穏やかで優しい。近年ではドラマ『アンナチュラル』が社会現象化しましたが、今回はちょっと珍しいキレキャラなのかな?と思わせておいて、不器用な優しさや深い孤独が次第に見えていくつくり……実に見事でした。

映画『ニワトリ☆スター』や映画『宮本から君へ』のようなある種の汚れ役や、映画『光』で見せたような残酷な演技(むき出しの狂気にぞっとさせられます)など、“陰”の芝居も得意な井浦新さん。映画『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』での熱演も鮮烈ですが、やはり根本的にご本人の生真面目なお人柄なのか、清廉な印象が残ります。

高橋一生さん・斎藤工さんのときもちらりと書きましたが、色気は出そうと思って出るものでない部分もあり、ご本人そのものと密接につながっているため、井浦新さん独自の魅力なのでしょう。

個人的には、中学生のときに映画『ピンポン』で初めて井浦新さん(当時はARATAさんでした)を拝見し、これまで自分が知っていた役者さんとは一線を画す「静の演技」に、大いに魅了されました。その後、映画『空気人形』や映画『かぞくのくに』等、凪いだ水面に波紋が広がっていくような彼の演技を楽しませていただいてきたのですが……最後に、最新出演映画『朝が来る』についてちらりと紹介させてください。

本作での井浦新さんの役どころは、妻とともに不妊治療に取り組むもなかなかうまくいかず、「特別養子縁組」を選ぶ夫。その数年後、ある事件に巻き込まれ……という物語です。この映画で井浦新さんが見せる、優しさや弱さが実に深い。詳細は控えますが、人間味ある暖かさが、印象に残ります。

まとめ

色気を、それぞれの俳優の演技面から書く――個人的にも、難しい挑戦でした。人それぞれ感じ方が違うものでしょうし、そもそも言葉でどうこう出来るものではないような気がしていて。

ただ、ご本人たちの魅力を書いていったら、自然と積み上がっていったようにも感じています。彼らの素敵な部分の一片でも伝わったら、とても嬉しいです。

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TVマガ編集部

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