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鬼滅の刃

【映画ライターが分析】自分の弱さを知ればこそ、強くなれる 我妻善逸の5つの才能 「鬼滅の刃」

#SYO #鬼滅の刃
2020年11月22日 by

映画ライターのSYOと申します。日本のドラマ・映画界に欠かせない俳優さんの「5つの魅力」を分析する本企画、第15回目を迎えました! 今回は特別編として、いま大人気の『鬼滅の刃』特集をお届けします。ずばり、「我妻善逸(あがつま・ぜんいつ)の5つの魅力」!!

…はい。今回は俳優じゃありません。僕も、このお題を頂いたときは驚きました。しかし、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が日本映画史に残る興行収入&観客動員数を今なお更新中で、善逸は作中登場キャラクターの中でも屈指の人気(ちなみに10月26日に発売された「週刊少年ジャンプ」2020年47号で発表された第二回キャラクター人気投票では、堂々の1位を獲得しています)を誇るキャラクター。書くなら今、書くなら善逸!というわけです。

そして何を隠そう、『鬼滅の刃』連載前から原作者・吾峠呼世晴さんの作品を読んでいる身としては、「これは絶対に俺がやらなきゃ駄目なんだ」と自らを奮い立たせ、取り組ませて頂くことに決めました。

※善逸の素晴らしさをご紹介するにあたり、未アニメ化の部分についても多少は触れないわけにはいきません(物語が進むごとに、どんどんカッコよくなっていくので)。極力具体的な言及は避けますが、ご了承いただければ幸いです。

引用: ABEMAプレミアム

1 観ているだけで面白い! 感情豊かな盛り上げ役

鬼滅の刃

引用: ABEMAプレミアム

まず、善逸について簡単におさらいすると、鬼と戦う組織「鬼殺隊」の隊士の一人で、主人公・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)のほか、嘴平伊之助(はしびら・いのすけ)、栗花落カナヲ(つゆり・かなを)、不死川玄弥(しなずがわ・げんや)と同期という位置づけ。戦闘の際の型は高速で移動する「雷の呼吸」です。ちなみにトレードマークである黄色い髪は、雷に打たれて変色したもの。

そんな善逸の特徴の一つは、くるくると表情が変わるハイテンションな性格(ちょっと情緒不安定気味なところもアリ)。シリアスな描写や心痛なシーンも多い『鬼滅の刃』の中で、ギャグパートの盛り上げ役として力を発揮しています。

アニメ版では、声優・下野紘さんの見事な“汚い高音”もあって、「ギャー!!」や「いやぁぁぁぁ」といったような、思わず笑ってしまうリアクション芸が多彩。にぎやかで面白く、観ていて飽きるところがありません。

また、自分が「モテない」ことへのコンプレックスを抱えており、先輩であり上官である「柱」であっても、妬みから「ざっけんなよ!!!」と悪態をついてしまうお茶目(?)な部分もクスリとさせられます。炭治郎たちと挑んだ「機能回復訓練」では「女の子に触れる」がモチベーションになり、欲望を丸出しにしすぎて周囲からドン引きされるひとコマも……。

2 寝落ちで覚醒! ヘタレからのギャップが熱い

そんな善逸ですが、決して道化役オンリーではありません。鬼殺隊の剣士として、高い戦闘力を備えています。彼の使う「雷の呼吸」は、目にもとまらぬスピードで移動し、敵を圧倒するもの。本来の力を発揮すれば、手練れの鬼も「消えた!?」とおののくほど速く、強いのです。

ただし、善逸は極度のビビリである(親がいないことや友人・知人に恵まれなかったことから、自己肯定力がとても低い)ため、普段はなかなか恐怖に打ち勝てず、ポテンシャルを十分に生かし切れていません。ですが、キャパ超えして気絶・眠ると、緊張や不安から解放され、一気に覚醒。先ほどまでのテンパり具合がウソのように、大活躍を見せるのです(パワーアップというよりも、元々の実力をフルで出せるようになるという設定が熱い!)。

ちなみに、善逸が剣の修業を行っていたのは、面倒を見てくれた師範(元・柱)への恩に報いるため。彼の内には、「変わりたい。強くなりたい。ちゃんとした人間になりたい」という願望が宿っているのです。弱さと強さが混在したキャラクターであることも、愛される理由の一つといえるでしょう。

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』以降の物語では、善逸が一歩ずつ心身ともに強くなっていく様子が観られます。原作未読の方は、とある理由から修業に打ち込む善逸の姿や、彼が進化を遂げるエピソードをぜひお楽しみに!(冒頭に書いた「これは絶対に俺がやらなきゃ駄目なんだ」の名ゼリフも登場します)

3 使える“型”は一つだけ。不器用な強さにシビれる

そして、善逸の戦闘スタイルにはもう一つ、注目すべきポイントがあります。それは、一つの型(技)しか扱えないということ。本来、『鬼滅の刃』は各剣士たちが使う多彩な型が魅力で、炭治郎であれば「水の呼吸」と「ヒノカミ神楽」の両方を使い、それぞれに複数の型があります。

ただ、善逸は「雷の呼吸」の6個ある型のうち、「壱ノ型 霹靂一閃」しか会得できませんでした。その代わり、そのたった一つを極限まで高め、唯一無二の必殺技にまで研磨。さらに「六連」「八連」といった連続攻撃へと進化させることで、自分だけの戦い方を編み出しました。

「自分にできることは限られている」と受け入れ、その上で剣を磨く。パッと見軟弱に見える善逸ですが、陰の努力家であり、武骨な部分も持ち合わせている。「弱さを知ればこそ、強くなれる」を地で行くキャラクターなのです。

4 いつだって弱き者、愛する者の味方。寄り添う優しさ

自分を「不完全」と知っているからこそ、助けが必要な者のために頑張ることができる。善逸が戦う理由には、根底に「人を救いたい、役に立ちたい」という優しさがあります。

炭治郎と行動を共にし始めた時期には、まだ身勝手な行動が目立っていた伊之助からボコボコにされても炭治郎の妹・禰󠄀豆子(ねずこ)が入った箱を守り抜いたり、任務時には半泣きになりながらも鬼から子どもを救い出そうとしたり、連れ去られそうになった女性を救うために「俺は一歩もひひひ引かないぜ」と震えながらすごんだり、戦闘中に仲間を気遣ったり……他人のために命を懸けられる、尊い自己犠牲の精神を持っているのです。

中でも、想いを寄せるヒロイン・禰󠄀豆子のためなら、危険を顧みずに敵に突っ込んでいく姿が印象的です。『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』では、禰󠄀豆子を守るために神速で駆け付け、鬼の攻撃を一瞬で捌き切りました。この見せ場のシーンにシビれた方は、多かったのではないでしょうか。

5 じつはかなりの常識人? 同期トリオのまとめ役

先ほど、善逸は盛り上げ役とご紹介しましたが、炭治郎は超が付くほど真面目で堅物、融通が利かないところがあり、山育ちの伊之助は無鉄砲で手がかかるため、善逸がブレーキ役やツッコミ役を務めることも多々。

汽車を生まれて初めて見てはしゃぎまくる伊之助に「やめろ恥ずかしい!」とツッコミを入れたり単独行動を制したり、別の任務ではクセの強い柱に輪をかけて変わっている炭治郎に「とんでもねぇ奴だ」と引いたり……。読者の代弁者として作品の中に居続け、同時に「ほら行くぞ!」と2人を引っ張るまとめ役を買って出るところもあって、面倒見の良さも目立ちます。

無限列車に乗り込む前にも、炭治郎と伊之助に「刀は背中に隠そう」とアドバイスし、「禰󠄀豆子ちゃんを任務に連れてきてよかったのか?」と心配するなど、視野が広く、思慮深いところを見せていました。こういった部分からも、善逸の心優しい性格が透けて見えます。

まとめ

ぱっと見はハイテンションな部分が前に出がちですが、善逸は仲間や恩人を人一倍大切にするキャラクター(だからこそ、幸せを奪う鬼には遮二無二立ち向かっていくのです)。自分の弱さにべそをかいたり、劣等感が暴発してしまったりするときもあるけれど、ただただ愚直に、一途に愛を貫こうとするまっすぐな善逸。

彼がいてこそ、『鬼滅の刃』の快進撃があるのでしょう。今後のアニメ化でも、善逸のさらなる活躍が観られることが楽しみです。

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SYO (映画ライター)

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイトの勤務を経て映画ライターに。「CINEMORE」「FRIDAYデジタル」「Fan's Voice」「映画.com」「新R25」「DVD&動画配信でーた」等に寄稿。Twitter「syocinema」

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