2019年8月20日

この夏「全裸監督」が面白い!地上波では描けない、全く新しいドラマ

テレビさえあれば、誰でも観られる地上波ドラマ。面白い作品はたくさんありますが、どこか物足りなく感じるときはありませんか? 地上波は性質上、さまざまな制約があり、どうしても描写に限界があります。たまにはもっとガツンとくる作品が観たい……そんなあなたにぴったりなのが、視聴率やスポンサーの影響を受けない動画配信サービスです。

中でもおすすめなのは、Netflixで配信中の山田孝之さん主演ドラマ『全裸監督』(2019年)。地上波では絶対に出来ないセンセーショナルな内容と抜群の面白さで、話題沸騰中の作品です。配信開始されてからわずか1週間で、シーズン2の製作も発表。「気になるけど、どんなドラマなの?」と思っている方に、本作の魅力をご紹介します!

れっきとした「お仕事ドラマ」。AVへの熱い想いに引き込まれる!


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伝説のAV監督・村西とおるがモデル

『全裸監督』(シーズン1は全8話)は、アメリカから懲役370年を求刑された伝説のAV監督・村西とおるさんをモデルに、彼がなぜアダルト業界に入ったのか、そしてどうやって「伝説」になったのかを描き出す物語です。山田孝之さんがキャリアハイの熱演で主人公の村西になりきっているほか、満島真之介さん・小雪さん・國村隼さん・玉山鉄二さん・リリー・フランキーさん・石橋凌さんといった豪華なメンバーが出演。「性ビジネス」という普段は見られない“裏側”の世界を、隅々まで教えてくれます。


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成人雑誌の商売を経てアダルトビデオの制作をスタート

舞台は、バブル真っただ中の1980年代。成績最下位の営業マンだった村西(山田孝之)は、先輩の助言をきっかけに才能を開花させ、独特のパッションと有無を言わせないセールストークでトップに到達。しかし、「社員の売上金の持ち逃げ」と「妻の不倫」で一気にどん底へと突き落とされてしまいます……。自分の人生を滅茶苦茶にした「性」と「金」に強烈にとらわれた彼は、人の欲望を肯定するビジネスを始めようと決意。酒場で知り合ったトシ(満島真之介)を相棒に引き入れ、「ビニ本」と呼ばれる成人雑誌の商売をスタートさせます。その後、幾多の困難を乗り越え、やがてアダルトビデオの開発に乗り出すのです。


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最高のエンターテインメントを届けたいという村西監督の熱い想い

題材が題材だけに躊躇してしまっている方もいるかと思いますが、本作はれっきとした「お仕事ドラマ」。例えば『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(2016年)や『わたし、定時で帰ります。』(2019年)と同じく、自分の仕事にひたむきに向き合う人々の生きざまを描いた作品なのです。ライバル企業からの圧力や警察による度重なる嫌がらせ、逮捕、投獄を経験しても絶対に折れない村西の「いいものを作りたい」という想いは、非常にピュアで崇高なもの。ユーザーを満足させよう、最高のエンターテインメントを届けようと人生をかけて努力する村西の姿、さらにそれを支える仲間たちの絆と友情にはシビれること間違いなしです。

一生懸命に頑張っている人は等しく美しく、そこに貴賤(きせん)はない。“色眼鏡”を外して本質に目を向けること――それこそが、このドラマに込められた真のメッセージともいえます。

出し惜しみナシ――地上波では観られない「攻めた」演出が面白い!


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中途半端はない、真剣かつ情熱的にエロを突き詰める

やはり目を引くのが、本作ならではの過激な描写や演出。ですが先ほど述べたように、『全裸監督』の本質はあくまで真面目なドラマ。中途半端な気持ちでエロを描いていないので、観ていて嫌な気持ちになることが全くない、というのが大きな特徴です。

アダルト業界で働く人々がものすごく真剣にエロを突き詰める姿は情熱的で笑いも満載ですし、警察の強引な捜査をどうかいくぐるか策を講じるシーンにはハラハラドキドキさせられます。山田孝之さんのカリスマ的な演技や、伝説のAV女優に変貌していく女子大生・恵美に挑戦した森田望智さんの脱ぎっぷりに圧倒させられ、「いつも観ているドラマとは違う」という想いを抱くことでしょう。トシ役の満島真之介さんの壮絶な演技には涙を誘われますし、村西を支える参謀ポジションの川田を演じた玉山鉄二さんも、イケメンのイメージをかなぐり捨てたふり切った姿を見せてくれます。

映画好きの目線で言うなら、AV界の帝王を演じた石橋凌さん、ヤクザ役の國村隼さん、悪徳刑事に扮したリリー・フランキーさんの演技対決も衝撃的。3人がバチバチと火花を散らすさまは、ここでしか味わえない非常に貴重なシーンといえます。


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地上波では絶対に放送できない、過激な性描写

もちろん男女の過激な描写もありますが、それらは全て「クリエイターが本当に作りたいものを最優先する」というNetflixの信念によるもの。全てのシーンに明確な「意図」と「想い」があり、作品を面白くするために必要だからこそ、ここまでやるんだ!という強い意志が感じられます。逆に、地上波では不可能な「攻めた」表現こそが本作の“華”といえるでしょう。ここまでサービス精神満点のドラマは、観たことがありません。


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仮に過激な描写を差し引いたとしても、歌舞伎町の街を丸ごと作り上げたセットやハワイで撮影された空撮シーンにアクションや爆破シーンなど、見どころは盛り沢山。映画並み、いや映画を超えた迫力ある映像が楽しめます。Netflixの大きな魅力として「全話一挙配信」がありますが、ストーリーのテンポも通常のドラマに比べてかなり早く、一気見が全く苦にならないほど。特に村西がアダルト業界に入る第1話は、視聴者を飽きさせないための仕掛けが画面のいたるところに用意されているので、必見です。

余談ですが、過去のアダルト業界を描いたドラマでいうと『最高の離婚』の坂元裕二さんが脚本を手掛けた『モザイクジャパン』(2014年)があります。あちらはAV会社に乗っ取られた田舎町を舞台にした社会派ドラマ。本作とスタンスが180度異なるので、見比べてみるのも面白いですよ。『凪のお暇』(2019年)に出演中の高橋一生さんが、アダルトメーカーの社長役でキレッキレの演技を披露しています。

自分の道は自分で決める――女性たちが美しい!


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『全裸監督』でハッとさせられた点が一つあります。それは、女性の意志をとても尊重しているということ。観る前は「アダルトビデオ黎明期を描いている本作は、ひょっとして男性目線が強すぎるのでは……」といった心配があったのですが、全くの杞憂でした。

自らの意志で行動する自立した女性が多く登場

恵美を中心に、本作で登場する女性陣は皆自分の意見をはっきりと伝え、自らの意志で行動を起こします。村西チームのメイク担当・順子(伊藤沙莉)は女優の気持ちを代弁して男性陣の目を覚まし、村西の初めての作品に出演する女優・奈緒子(冨手麻妙)は苦悩や葛藤を乗り越えて、自分で進路を選びます。不倫する村西の妻・幸子(階戸瑠季)も、村西の人生に影響を与える小料理屋の女将(大谷麻衣)も、恵美に異常な執着を見せる母親・加代も、逆境の中でも「自分」を大切にし、自分で決めた道を進んでいきます。


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ストーリーも、演技も、内容も、そして面白さも――これまでのドラマにはなかった「新しさ」がたくさん詰まったドラマ、それが『全裸監督』なのです。

なお、Netflixではこの秋には園子温さんが監督、椎名桔平さん・満島真之介さん・でんでんさんが出演する映画『愛なき森で叫べ』、2020年には蜷川実花さんが監督、中谷美紀さん・池田エライザさんが出演するドラマ『Followers』、山崎賢人さん・土屋太鳳さんが4度目の共演を果たすドラマ『今際の国のアリス』が配信予定です。『全裸監督』のシーズン2もあり、面白いドラマ・映画がどんどん出てくることでしょう。今後も目が離せません!

 

TVログの全裸監督の口コミは?

 

 

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SYO (映画ライター)

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイトの勤務を経て映画ライターに。「CINEMORE」「FRIDAYデジタル」「Fan’s Voice」「映画.com」「新R25」「DVD&動画配信でーた」等に寄稿。Twitter「syocinema」